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国際結婚の手順
行政書士が、国際結婚の手順について解説します。中文版
国際結婚は、次の4ステップで進めていきます。
- STEP1 婚姻手続きの準備
- 日本と相手方の国の両方において、婚姻要件を満たしていることを証明する書類(婚姻要件具備証明書など)を準備します。
- STEP2 役所へ婚姻手続き
- 日本又は相手方の国どちらかの公的機関に赴き、婚姻手続きをします。通常は、受理されましたら、結婚が成立となります。
- STEP3 配偶者ビザの申請準備
- 夫婦で日本に居住する場合、外国人の方が日本に居住するための、いわゆる配偶者ビザの申請を準備します。結婚が成立しても、ビザが下りるまでは、日本で夫婦生活を送ることはできません。
- STEP4 出入国在留管理局にビザ申請を提出
- 日本人の配偶者の場合は、在留資格「日本人の配偶者等」を申請します。外国人の方がすでに日本に住んでいる場合は「変更」申請を、そうでない場合は、「在留資格認定証明書の交付」申請を提出します。
- 入管での審査を経て、在留資格が許可されましたら、日本で結婚生活を送ることができます。
以上のように、日本人同士の結婚とは大きく異なり、いくつもの手続きが必要になります。
通常、結婚は初めてのことですから、手続きに不慣れなのは当然です。
現在は、日本の役所の方も、たくさんの事例を見ていることから、一つ一つ丁寧に教えてもらえることとは思います。
しかし、相手方の外国人の国籍が、あまり例のない国だったりすると、婚姻要件とは?といった疑問がいくつも出てきます。
さらに、相手方の国での手続きになると、まったくわからないということも少なくありません。
ここでは、日本人と中国人との結婚について、ひとつひとつ見ていきましょう。
中国の国籍の方との結婚
STEP1 婚姻手続きの準備
日本と中国双方の法律で、婚姻できる要件が整っている必要があります。
日本の婚姻の要件(民法による)
- 男女の間に婚姻意思の合致がある
- 婚姻適齢に達している
- 重婚でない
- 女性について再婚禁止期間を経過している
- 近親婚でない
- 未成年者については、父母の同意がある
中国の婚姻の要件(中華人民共和国婚姻法による)
- 重婚ではない
- 男女の間に婚姻意思の合致がある
- 婚姻適齢(男性は22歳以上、女性は20歳以上)
- 近親婚でない(直系血族又は3代の傍系血族ではない)
- 医学上結婚すべきではない疾病に罹患していない
このように、日本と中国で同じ(似ている)ものもありますし、
年齢や、女性の再婚禁止期間など、違うものも存在します。
なお、中国では法律上、婚姻年齢が定められているものの、少数民族など一部のケースでは、婚姻適齢期に満たない場合でも婚姻できる(している)ケースがあります。が、ここではあまり問題とならないでしょう。
要件をすべてクリアしていることを確認しましたら、
まず決めることとしては、
- 中国で結婚手続きするか?
それとも
- 日本で結婚手続きをするか?
を決定します。
お相手の中国人の方が、日本に居ない場合は、日本人が中国に行って、
「中国で結婚手続きをする」
という方法になることが多いと思います。
中国で結婚手続きをする場合
日本人は、「婚姻要件具備証明書」を入手します。
婚姻要件具備証明書は、
1、本籍地のある場所の法務局で入手するか、
または、
2、中国にある日本大使館・領事館でも入手できます。
婚姻要件具備証明書を発行するために必要な書類(戸籍謄本など)もあります。
詳しくは、下記のサイトをご覧ください。
- 千葉法務局のサイト「婚姻要件具備証明書(独身証明書)を請求したいのですが。」
- 在中国日本大使館のサイト「婚姻要件具備証明書(独身証明書)」
なお、1の日本国内の法務局で、婚姻要件具備証明書を発行した場合、
日本の外務省でのアポスティーユ手続き、さらに、中国語翻訳が必要になります。
当事務所では、ご本人が取得した婚姻要件具備証明書(独身証明書)を、
ご本人に代わって、外務省アポスティーユ手続きを代行いたしますので、
お気軽にご相談ください。
一方で、2の中国国内の日本大使館で、婚姻要件具備証明書を発行した場合には、
外務省のアポスティーユと中国語訳も不要になりますので、
中国の日本大使館での手続きの方がスムーズになりますが、
お相手の方のお住まいが、日本大使館・領事館から遠い場合は、
移動の手間が予想以上にかかるかもしれません(中国の国土の広さは予想以上です)。
日本で結婚手続きをする場合
コロナ禍のため、中国への渡航が難しい中で、日本国内で結婚手続きをする方法を選択することが多くなりました。この方法のメリットは、お相手の中国人の方が、来日できなくても手続き可能なところです。
従前は、お相手の中国人の方の「婚姻要件具備証明書」を日本国内の中国大使館・領事館で入手しました。
しかし、2021.5月現在、制度の変更により、中国大使館で婚姻要件具備証明書の発行がされなくなりました。
中国大使館の「婚姻要件具備証明書」の代わりに用意するもの(未婚声明書)
日本の中国大使館にて、「婚姻要件具備証明書」が交付されないことになり、次の《未婚声明書》を代替で用意することに変更となりました。
- 日本の中国大使館・領事館にて、《無配偶声明書》の公証書 を発行してもらう。
- 中国国内の公証処(中国の公証役場に相当します。)で《未婚声明書》または《無婚姻記録証明》の公証書 を発行してもらう。
そして、次の4つの公証書を準備できれば、「婚姻要件具備証明書」の代替書類となり、日本の市区役所で婚姻届を受理してもらえます。
- 未婚声明書 上記の1か2のもの。
- 国籍公証書 または、有効なパスポート
- 出生公証書
- 親族関係公証書(両親の氏名がわかるもの)
中国で発行される書類のため、中国にいるご両親などに依頼して代理で取得してもらいます。なお、すべての書類は、日本語訳が必要です。当事務所でも翻訳の対応を行っています。
この方法により、中国人の方が、日本に来られない場合であっても、日本人側単独で手続きできます。
詳しくは、日本の届出先の市区町村役場にご確認いただくか、行政書士までお問い合わせください。必ずしも上記4種類すべての書類が必要になるわけではありません。
STEP2 役所へ婚姻手続き
中国で婚姻手続きをする場合
日本人と、相手方の中国人の双方が揃って、中国の婚姻登記機関に赴き、手続きを行う必要があります。
その際に必要となる書類は、以下の通り。
- 日本人の婚姻要件具備証明書(独身証明書)
- (中国語ではない場合)婚姻要件具備証明書の中国語訳文(指定の翻訳会社による)
- パスポート
中国人の方の必要書類は、戸口簿、身分証のほかに、
各地の婚姻登記機関により異なりますので、詳しくは、お相手の方が現地の婚姻登記機関に問い合わせすると良いでしょう。
日本人の必要書類としても、まれに、戸籍謄本などを求められるケースもあります。
必要書類を持参して、婚姻登記機関で登記手続きを行い、無事に登記完了となりましたら、
中国の「結婚証」が夫婦各1冊ずつ発行されます。
なお、以前は、婚姻障害となる疾病に罹っていないかを調べる健康診断が行われていましたが、
現在は実施されていないようです。
(参考)中華人民共和国婚姻法
第八条 要求结婚的男女双方必须亲自到婚姻登记机关进行结婚登记。符合本法规定的,予以登记,发给结婚证。取得结婚证,即确立夫妻关系。未办理结婚登记的,应当补办登记。
第8条 婚姻しようとする男女双方は、自ら婚姻登記機関に出頭して婚姻登記をしなければならない。この法律の規定に合致する場合には、登記をし、結婚証を発給 する。結婚証の取得により、夫婦関係が確立する。登記をしていない者は、事後の登記をしなければならない。
続いて、日本人は帰国後、市区町村役所へ赴き、婚姻届を提出し、
中国で成立した婚姻を報告する必要があります。
日本で婚姻手続きをする場合
必要書類をそろえて、市区町村役所へ赴き、婚姻届を提出します。
必要書類:
- 婚姻届(2名の保証人が必要です)
- 日本人の戸籍謄本(本籍地と異なる役所へ提出する場合)、日本人の身分証
- 中国人の婚姻要件具備証明書 もしくは、未婚公証書など、婚姻要件を具備していることを証明できる書類
- 日本人と中国人それぞれの身分証明、運転免許証、在留カードなど
婚姻届が受理されましたら、結婚は成立します。
場合によっては、市区役所では、「受理伺い」となり、正式な受理まで数日かかることもあります。
中国で先に婚姻手続きをした場合には、その後、日本で婚姻届を提出しますが、
日本で先に婚姻手続きをした場合には、中国の婚姻登記はできず、
結婚証も発行されません。
しかし、日本で婚姻は有効に成立していますので、中国でも有効な婚姻と認められます。
STEP3 配偶者ビザの申請準備
次のページで詳しく説明しています。
当事務所は一人一人オーダーメイドです。
国際結婚手続きに一つとして同じ申請はありません。皆さまそれぞれ個別の事情や経緯があって、一人一人のケースに応じて、選ぶべき手順、申請方法、準備すべき書類、説明する内容が異なります。当事務所では、お客様の個別のケースを詳しく聴かせていただき、もっともよいと思われる選択をご提案し、オーダーメイドで申請書や理由書などの書類を作成いたします。一つとして同じ書類はありません。
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電話:03-6264-9388 (中文對應)
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