連れ子のためのビザについて

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今回は、再婚前の結婚相手との子供、いわゆる「連れ子」が日本で生活するためのビザについて、説明します。在留資格の区分としては、定住者ビザ(Long Term Resident Visa)となります。定住者ビザは、法律では「法務大臣が特別な理由を考慮し、一定の在留期間を指定して居住を認める者」と規定されており、再婚するときに連れてきた先夫または先妻の子供も、この定住者ビザに該当します。

具体的なケースを挙げてみましょう。中国人の女性が、日本人男性と再婚して日本に住んでいます。その中国人女性は、結婚歴があり、離婚した前の夫との間に16歳になる子がいます。その子は、中国国籍で、現在中国で暮らしているのですが、その子を日本に呼んで、一緒に暮らしたいと考えています。このようなケースの場合、その子が定住者ビザを取得できないかを検討します。

 

確認すべき3つのポイント

この場合に確認するのは、次の3つのポイントです。

  1. 子が未成年であること。
  2. 子が未婚であること。
  3. 実の親が扶養し、その親は、日本人、永住者、期間1年以上の定住者であるか、または、これらの者の配偶者で、「日本人の配偶者等」か「永住者の配偶者等」ビザを持っていること。 

まず、①の未成年であること、についてですが、日本の法律で18歳未満の未成年(2022年4月1日より18歳未満が未成年となっています。)であったとしても、その子の本国の法律で、成年に達している場合は、独立の生計を営むことができるとし、扶養を受けて生活するとは言えないのではないかと判断され、基準に該当しなくなる可能性が高いです。

簡単に言ってしまうと、扶養を受けると言っているが、実は日本で就労するつもりではないかと疑われているということです。例えば、ネパールでは、成人年齢は16歳とされていますので、先ほどのケースでは、未成年に該当しません。成人になっても親の扶養が必要というのは、それ相応のやむを得ない事情がある必要があり、その説明と証明を求められます。やむを得ない事情というのは、例えば身体障害がある等の理由が考えられます。(なお、各国の成人年齢については、外務省の資料を参照しています。)

 

③の扶養者の条件については、家族関係と持っているビザの種類が細かく規定されていますので、間違えのないように判定します。例で挙げたケース、再婚相手が日本人で、実親は「日本人の配偶者等」ビザを持っていて、離婚した前夫(または妻)との間の子、というケースが多いかと思います。再婚相手が「永住者」ビザの方で、実親が「永住者の配偶者等」ビザを持っている場合も該当します。

ただし、実の子だと言うだけでは、不十分です。子供が本国に、親が日本にいるという親子離れ離れの状況の中で、今までどのように子供を扶養してきたのか、別れた前夫との扶養を巡る状況の変化等があればその説明、仕送りを行っていたかなど経済的な扶養の事実を、裏付けとなる資料を添付して、立証していきます。特に、何年も日本と本国と別々に暮らしていたのに、今になって急に日本で一緒に暮らしたいというのであれば、そう決心するに至った経緯、事情の変化、理由について合理的に説明できなくてはなりません。

 

また、受入れ側となる、現在の夫との婚姻生活について生活面と経済面において安定していること、特に現在の夫が日本における扶養の意思がしっかりとしていることを上手に主張する必要があるでしょう。経済面としては、連れ子を呼び寄せて扶養していけるだけの経済力のあることの証明として、定職に就いているか、一般的な子育て家庭と同程度の収入があるというのが審査のポイントになるかと思います。そして今後子が来日してからどのように扶養していくか、生活していくか、子を受け入れる学校があるかといった具体的な計画も詳細に説明していきます。

 

他のビザも総合的に検討します。

先ほどの16歳になる連れ子のケースの場合は、いたずらに許可率の低い定住者ビザを申請するよりも、その子が日本に来て何をするのか、具体的な活動内容に沿ったビザを選んでいく方法をお勧めします。

日本語学校や専門学校、大学に進学する予定であれば「留学」ビザを、就労するのであれば就労系のビザを検討します。家族で一緒に暮らしたいという強い気持ちは分かりますが、原点に帰って、その子が日本に来て何をするのか、何をしたいのか、を親子で真剣に考えて決めてあげてください。

 

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