外国人ビザ申請に新たな提出義務?――課税・納税・社保がルール化される省令改正のポイントと問題点
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登場人物:
- 横山先生(入管実務の専門家)
- 教えてくん(ビザ制度に興味を持ち始めた一般の人)





- 教授、技術・人文知識・国際業務、経営・管理
- 特定技能、技能実習
- 留学、文化活動
- 永住ビザ など…
外交、公用、短期滞在を除くほとんどのカテゴリーが対象になっています。



これまで必要だった書類:
1. 素行が善良であることを証する書類
2. 独立の生計を営める資産や技能の証明
3. 身元保証人の保証書
これに加えて、現時点では、すでに課税証明書や社会保険の納付状況を求められていました。
でも今回の改正で「明文化」されます:
4. 年間の収入に関する文書
5. 課税・納税に関する文書
6. 社会保険の加入・納付状況の文書


たとえば「技術・人文知識・国際業務」ビザへの在留資格変更では、これまでは以下のような書類だけで足りました:
従来の必要書類:
会社の登記事項証明書と損益計算書の写し
事業内容がわかる資料
卒業証明書や職歴証明
仕事内容・雇用条件などの証明
今回追加される書類:
年間の収入に関する文書
課税・納税・社会保険関連の書類
そして、永住ビザの申請の時とは異なり、「技術・人文知識・国際業務」ビザへの変更などの場面では、これまで課税証明書すら求められないケースも多かったのが実情です。社会保険に至っては、実質ノーチェックだったと言っても過言ではなかったかもしれません。


社会保険の加入歴は、扶養家族のためのビザを申請するときや、永住申請の時に初めてチェックされるのが実情でした。永住申請をしないのであれば、事実上社会保険に入らずに、日本にずっと居られたというのは、大きな問題でした。






例えば、ある外国人が会社に就職したとして、本来なら厚生年金・健康保険などの社会保険に加入させる義務があるのに、事情をよく知らない外国人をいいことに、うちには社会保険はないと言って、意図的に社保加入を拒む日本の会社も少なくないです。そういった外国人は、仕方なく、市町村の国民健康保険に入ったりしています。




例えば:
• 本人に責任がない場合の救済方法を講じる。
• 雇用主による社保逃れへの指導強化の策を講じる。
などがなされないと、現場とのギャップで混乱や不公平を生む可能性があります。
特に、これまで以上に注意が必要なのは、言われた資料だけを提出していて説明不足といった申請では、通らないことが予想されます。提出できない資料がある場合も想定して、どのような書類で代替していくかも明示しなければならない。



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