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コック(料理人)のビザ
タイ料理、インド料理を食べたことがない日本人は、都市部においてはもうほとんどいないかもしれないほど、エスニック料理としてポピュラーなものになりました。
ミャンマー料理はといえば、まだまだ認知度が低く、どういう料理なんだろう?と想像がつかない日本人も多いでしょう。とはいえ、ミャンマー人が多く住む東京の高田馬場周辺ではミャンマーの方向けに、あるいはエスニック料理が好きな日本人向けに次々とミャンマー料理のレストランが開店していっています。ミャンマー料理だけではなく、シャン料理、カチン料理といったようにさらに地元に特化したレストランがあったりと、奥の深さを感じつつ、どんな料理なのか想像をめぐらせています。
そこで、今回は、コックさん(料理人)のためのビザである「技能」の在留資格について説明していきたいと思います。
外国から本場のコックさんを呼び寄せることができますか?
例えば、あなたが外国料理レストランを経営したいと思い、本場から料理人を呼び寄せたいと考えたとします。
中華料理屋が中国人シェフを、ネパール料理屋がネパール人コックを招聘していることから分かる通り、どこの国であっても、その国の料理のコックさんを呼び寄せることは可能です。
ただし、コックさんのビザの取得は簡単ではなく、ポイントを押さえて申請する必要があります。
コックさんのビザのポイントとは?
コックさんのビザは、法律上は「技能 (Skilled labor)」の在留資格(技能ビザ)に該当します。
技能ビザとは、実はコックさんに限らず、法令で規定されているさまざまな熟練労働者のためのビザということになります。そして、その熟練した仕事は、日本ではなく、外国に特有な産業で、日本ではマスターすることができないか、または困難な分野の仕事である必要があります。
したがいまして、料理人として高い技術をもっていたとしても、それが和食(日本職)料理人であれば、外国人は技能ビザが取れないことになります。
さらに、単純作業では熟練した仕事に該当しませんので、レストランのキッチンで皿洗いをすることがメインであればビザは許可されません。
このことから、大きく分けて2つのポイントをクリアする必要が出てくることが分かります。
一つは、そのコックさんが、外国料理(ここではミャンマー料理とします)において、10年以上のコックとしての実務経験があること。
そしてもう一つが、日本において、本場の外国料理を提供するレストランがあり、安定的に料理人を雇用することができること。
この2つになります。
コックさんの実務経験
その外国人のコックさんは少なくとも10年以上のコックさんとしての職歴の証明が必要となります。
本国で勤務しているレストランから証明書を提出してもらって証明するのですが、学歴の証明とは異なり、レストランの証明書は偽造が簡単にできてしまうことから、入国管理局の審査もより厳しいものとなっています。
たとえば、ネパール人コックの場合、偽装による証明書の提出が多発したせいか、レストランが発行する証明書に、本国の税務番号も記載させるという運用が始まっています。
また、出入国在留管理局は、その証明書を発行したレストランに電話をかけ、確かにレストランが存在することと、確かにそのコックさんがコックとして勤務している(または過去に勤務していた)ことをきちんと裏どりします。
その電話調査の過程で怪しいと感じた場合は、不許可になってしまうケースがよくあります。
そうならないためにも、そのレストランがすでに閉店している場合には、きちんとその旨を説明し、証明書以外に別の書類で補うといった方法が必要になります。
招聘する日本側レストランの条件
招聘する日本側のレストランとしては、本格的な現地の料理を提供するレストランであることを説明していく必要があります。
居酒屋やファミレス、普通の食堂といったどんな料理も提供するような飲食店の場合、たとえ、ミャンマー料理も一部提供すると主張したとしてもビザの許可は困難です。
また、座席がカウンターのみの極めて小規模の飲食店の場合も難しくなります。この立証書類としては、メニュー一覧、店舗の写真、特殊な調理器具の設備の説明文といったものが挙げられます。
回転させながら肉を焼くケバブグリルは、特殊な調理器具と言えるかもしれません。
必要書類は?
料理人の経歴資料 と 日本のレストランの資料 の2つを準備します。
料理人が海外で在籍していたレストラン(中国の場合)
- 在職証明書(レターヘッド付き、住所、電話番号、在職期間)を公証認証したもの
- レストランの写真
- 資格証明書
- 戸口簿(職業欄の「厨師」を確認)
日本で勤務するレストラン
- 店舗間取り図
- 店舗写真(厨房、客席、外観、コース料理)
- メニュー
- 財務書類 など。
当事務所はビザ申請も一人一人オーダーメイドです。
ビザ申請に一つとして同じ申請はありません。
皆さまそれぞれ個別の事情や経緯があって、一人一人のケースに応じて、選ぶべきビザの種類、準備すべき書類、説明する内容が異なります。当事務所では、お客様の個別のケースを詳しく聴かせていただき、もっともよいと思われる選択をご提案し、オーダーメイドで申請書や理由書などの書類を作成いたします。一つとして同じ書類はありません。
電話:03-6264-9388
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