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家族滞在ビザ(Dependent Visa)について
今回は、「家族滞在」ビザについて、ご説明します。
家族滞在ビザとは、一般的に就労ビザと呼ばれる外国人の扶養を受けて、配偶者または子として、日常的な活動を行うために付与されるビザになります。
ビザの申請に必要となる書類も、多くはありません。
- 申請者と扶養者の関係を示す書類
- 扶養者の扶養能力(収入等)を示す書類
の2種類のみで、完結します。
もっとも、ビザの変更・更新の場合には、申請者の在留状況が良好であるかを、入管では重点的に審査します。ここでは、「扶養者の扶養能力」についてと、「申請者の在留状況」について、ポイントを見ていきます。
「扶養者の扶養能力」とは
家族滞在ビザを持って、日本に滞在する外国人は、扶養を受けて生活する者であり、その扶養者に安定的・継続的に、確実に扶養することができる経済的、資金的裏付けが必要になります。
扶養者が就労ビザをお持ちの場合、月給等の記載がある在職証明書や、課税証明書等で経済力があることが比較的簡単に証明できます。
ところが、留学ビザを持って滞在する外国人が扶養者となって、その配偶者を家族滞在ビザで呼び寄せる場合には、留学ビザはそもそも就労活動をして収入を得るためのビザではありませんので、特に慎重に経済力の説明が必要になります。
留学生が扶養者となる場合には、まず、直近1年の収入と支出から洗い出してみます。
収入については、本国にいる両親からの仕送りと日本でのバイト代がメインとなるでしょうか。当然、アルバイトは留学生が資格外活動許可を得て就労できる週28時間以内の範囲内で算出することになります。
支出については、学費とその他生活費とを明確に分けて説明することに注意してください。その他生活費としては、アパートの家賃、食費、その他の費用という程度の大まかな区分で構いません。
このように算出してみると、収入の割に支出が多かったり、とても扶養できる状況にない場合があります。家族滞在ビザの外国人も資格外活動許可を受けてアルバイトをすることができますが、はなから家族滞在の配偶者のアルバイト代をあてにして、収支計画を立てる場合、入管の審査で許可が下りない場合がほとんどかと思います。
立証資料として、
- 銀行の預金口座の通帳コピー
- アルバイト代の給与明細書
- 家賃が分かる賃貸借契約書
- 奨学金の受給証明書
- 海外からの送金証明書 等
を添付するとよいでしょう。
アルバイトについては、くれぐれも時間超過がないことを確認してください。
給与明細書や通帳からもすぐわかってしまいますが、入管からアルバイト先の会社に確認が入ることもあります。
とくに、アルバイトを2社掛け持ちして、それぞれ28時間(合計56時間!)働いていたという方もいましたが、これらは入管法違反となります。
また、家族滞在ビザ申請前に、突然大金を本国から送金するのはあまり得策とは言えません。
そのお金が誰からのもので、どのようにして入手したものであるか、の説明が必要ですし、入管の審査では、これまでの扶養者の収支実績から、家族を帯同しても扶養できるだけの能力があることが慎重に審査されます。
「申請者の在留状況」について
申請者の在留状況が良好ではない場合、不許可となる可能性が高いです。
よくある事例としては、上述のように、アルバイトの超過が挙げられるでしょう。
家族滞在ビザは、最初に申し上げた通り、「配偶者(または子)として日常活動を行うためのビザ」です。
日常活動とは、料理・掃除・洗濯等の家事や身の回りの世話ということになります。
もっとも、入管法上の活動に制限が加えられるのは、「就労活動」になりますので、家族滞在ビザを持っている外国人が、学校で日本語を学んだり、大学に通ったりすることは問題なくできます。とくに何の手続きも必要ありません。ただし、配偶者としての日常活動を行う傍らに、勉強している場合に限られます。
アルバイトの時間超過した時と同様に、家族滞在ビザを持っている外国人が、特別な理由もなく、扶養者の配偶者と別居して、別の活動(例えば勉強のような、害のない活動であったとしても)を行っている場合、ビザの更新がされないことがあります。
「留学」と「家族滞在」の在留期間について
2021年4月から、「出入国管理及び難民認定法施行規則の一部を改正する省令」が改正され、在留資格「留学」、「家族滞在」の在留期間が変更されています。
趣旨は次の通りです。
在留資格「留学」で在留する外国人については在学予定期間を,在留資格「家族滞在」等で在留する外国人については扶養者等の在留期限を踏まえて柔軟に在留期間を決定することができるようにする。
これにより、私の事務所でも、これまでは目にしなかった、「10カ月」や「2年4カ月」などといった中途半端な期間の在留カードが許可されています。
「家族滞在」の場合は、本体の就労者(扶養者)の在留期限に合わせるように調整されています。
これまでは、扶養者(就労系ビザ)の方と、その配偶者・子とが、半年ずつズレた在留期限であったことも珍しくなく、在留期限の管理に注意が必要でした。
今回の改正で、「家族滞在」の在留期間が、扶養者の在留期限とだいたい一致するようになりましたので、次回の更新時には、家族そろって更新申請を行うことになります。
「留学」の場合も、卒業後も数カ月間在留期間が残っていたことが多かったのですが、今回の改正で、学校の卒業時期に合わせることになりました。
卒業を迎える、毎年3月~4月の時期は、混雑が予想されますので、早めの申請が必要になりますね。
以上の内容が法改正による変更ですので、これまでは、「3年」許可されていたのに、急に短い期間に変更させられた、と心配に思わないで下さいね。
行政書士横山国際法務事務所は、全国の入管にオンライン申請が可能。
当事務所は、在留申請オンラインシステムを通じて、オンライン申請に対応しています。
このため、日本全国のお住いの外国人からご依頼をお受けできます。
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※対象外の在留申請、または、在留資格がございます。その場合は、オンライン申請ではなく、入管局窓口での申請となります。
参考ページ:
- 家族滞在簽證(Dependent Visa)
- 家族滞在ビザ(配偶者)
- 家族滞在ビザ(子ども)
- 「留学」と「家族滞在」の在留期間について
- 家族滞在ビザから定住者ビザへの変更
- 为中国家庭代办日本家属(家族滞在)签证
- 小学,初中,高中生的日本留学签证
- 父母(両親)のビザ【老親扶養ー特定活動】
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